「客家擂茶」は、「東方美人茶」や「酸柑茶」と、客家三大お茶となります。色は日本の抹茶と似ていて、やや濃厚な味わいです。客家人がお客様を招待する時に出される、伝統的なお菓子です。「擂茶」は、人々の疫病を治したとも伝えられ「三生茶」と呼ばれていました。三国時代、蜀の名将、張飛を率いる大軍が武陵（現在の湖南）を攻める時、大軍が疫病（瘟疫）に悩まされ、とても戦える状態ではありません。その時、軍隊の名医が門外不出の処方を張飛に献上しました。それが「生茶」、「生米」と「生姜」を擂り潰してから飲む擂茶です。その後、「擂茶」という名前が世の中に広がり、現代まで伝えられて来ました。

擂茶の「擂」は「研磨」の意味で、擂り潰してから飲むことです。基本の道具は、擂り鉢（陶器）とすりこぎ（木の棒）があります。しかし、擂茶は、抹茶の点て方とは違います。抹茶は、緑茶を粉末にしたものに湯を加え撹拌した飲料で、「擂茶」は、緑茶の茶葉、ピーナツ、ゴマなどを擂り鉢に入れて、丁寧にすり潰した後にお湯を加え、最後に、お米の粒も入れると、擂茶の出来上がりです。抹茶には、泡があっても、お湯がまだ液体の状態で、それに対して、「擂茶」は、様々な具材を加えましたから、少しペースト状になって、満腹感があり、健康維持にも良い飲み物です。