沼地から肥沃な農地に変えさせ、山を切り拓き棚田を作り、農用地を整備して、農耕生活を始めました。農作業を励んでいる間にも、台湾客家人は大地の恵みを忘れず、毎年旧暦の正月二十日、つまり伝説に女媧が天を補修した日に、客家人は仕事を置いて、“山歌”という民謡を歌います。自然の恵みに感謝しながら、土地の休養にも含め、自然資源の持続可能な利用にもなります。

台湾客家人は、自然と神様を尊敬し、先祖様に敬意を払い、教育も重要視しているエスニック・グループです。「一等人忠臣孝子；兩件事讀書耕田（国に忠誠し、親に孝行している人は第一級の人であり、勉強と農作業は、やるべきことの二つである」ということわざのように、台湾客家人の多くは祠堂や先祖代々の家の門楣と門柱に、氏名堂号、門聯或いは対聯を刻み、祖先の移転、開墾の歴史を記録して、後世の子孫に、奮発進取の精神や根本を忘れてはいけないという飲水思源（水を飲む者は、その源に思いを致せ）の思いを注意喚起します。なお、子孫の成功に期待しているため、台湾客家人は勉強と教育を特に重要視しています。「敬紙習字（文字や紙をうやまう慣習、敬惜字紙とも言い）」の風俗に加え、台湾客庄地区（客家地区）に読書の気風が盛り、偉大な政治家、文学家等も続々生み出しています。そして、客家村落の前と後ろや、畑の前と後ろにある「伯公廟（土地公廟）」（土地神の廟宇）は、別の民族の信仰文化と重なっても、「伯公（伯父）」という家族みたいな称呼と正式な神様の敬称を入れ替え、もしくは具体的な神像を木や石と取り替え等、台湾客家人と土地の間の親しい関係と、自然や神様を崇敬する習慣を日常生活の中に融合した特質を表すのでしょう。

その特質は、現在の台湾客家人が誕生、高齢、病気、死亡等の各生命段階に対する冠婚葬祭の礼儀作法に表現する以外、自然、神様、祖先、年末等を祭る年中行事の儀礼の中で、力を合わせて作った祭礼料理がなお一層表れます。例えば、子供が生まれたときのお祝いに出される“新丁粄”、 結婚式や披露宴で親族や友達に取り分ける“粢粑”、あるいは伝統行事やお寺のイベントに欠かせないお団子などです。独特な文化意味とエスニック・グループのスピリットを一つ一つ美味しい料理の中にみちびいて、食文化と台湾客家人の心、精神が融合し、違うエスニック団体の人々も、簡単だけど温もりのある料理を通じて、台湾客家文化の深みを一見できます。