健康に対する要求が高まる現代社会に、多種多様な健康ドリンクも登場しました。賢い台湾客家人は、昔から自分なりの独特な健康フルーツティーがあって、それは、「虎頭柑」で作った「酸柑茶」のことです。

「虎頭柑」（ことうかん）とは、「酸柑」（さんかん）とも言い、大きさは虎の頭のように、結構大きな柑橘類の果物です。フルーツとしては、外観が黄色、皮も厚く、水分たっぷり、且つ腐しにくいことで、台湾人が新年の時、よく家の中に置いて、お祝いしてます。しかし、虎頭柑の果肉の部分は、あまりにも酸っぱいですから、誰にも食べることが出来ません。

そんな訳で、虎頭柑の水分が消えて硬くなると、捨てられることが多いです。質素倹約を旨とする客家の先祖が、浪費したくないですから、虎頭柑の中身をくり抜いて、製茶済みの茶葉と、取り出した果肉と混ぜ合わせ、再び詰め込み、固く縛って、天日干しに、或いは長い時間かけて火焙する事で出来上がります。作るのは、半年以上もかかったそうです。

飲み方には、ハンマー等で皮ごと粉々に砕いていて、皮の部分と果肉（お茶）の部分と、良く混ぜて煮込んでます。繊細な味わいで、すがすがしい香りは、喉ごしがよく、やさしくて口当たりが良いです。昔の農業社会には、酸柑茶は寒い時期に身体を温め、風邪を予防する効能を期待して飲まれる健康飲料なのです。もしも、紫蘇や甘草などの薬草を加えると、健康効果もより一層高めるでしょう。